茨城県の某市にお住まいのAさんは…
あるとき、シャワー引出し式洗面所水栓の蛇腹ホースから水漏れしてることに気づきました。
「これって、蛇腹ホースだけの交換だけで済むのかしら？水栓ごと交換しないといけないの？」
Aさんのように、水栓ごと交換しないといけないと思っている方は少なくありません。実際は蛇腹ホース部分だけの交換は可能ですが、注意点もあります。どんなことに注意して、実際に蛇腹ホースだけを交換するにはどういう手順ですればよいのか、本記事でご紹介していきます。
蛇腹ホース以外に原因がないか確認する
シャワー引き出し式水栓から水漏れする場合、考えられる原因としては、蛇腹ホース以外にも、シャワーヘッドの部分やレバー部分のパッキン部分の劣化、シャワーヘッド部分の故障、バルブの故障などがあります。もし、これらの蛇腹ホース以外にも原因がありそうで、自分では対処が難しいなと思った場合は業者に連絡して対処してもらいましょう。
蛇腹ホースから水漏れする原因
洗面台水栓の蛇腹ホースは、表面は金属ですが、内部にはゴムのホースが通っている、二重の構造になっています。そのゴム部分が経年劣化でヒビ割れたり、外周の金属部が刺さって穴があくと水漏れが起こります。
蛇腹ホースだけが水漏れの原因であれば、水栓ごと交換しなくても、ジャバラホースを交換して修理は可能です。ただし、製品が古くて、蛇腹ホースの部品が廃盤になっている場合もあります。そうなると、水栓本体も交換しなければなりません。シャワー引き出し式水栓の平均的な寿命は１０年から１５年と言われています。もし、それに近い年月が既に経過しているなら、耐久性を考えて、水栓ごと交換する選択肢も考慮すると良いでしょう。
また、寿命にはまだ期間があり、部品の調達も可能だとしても、水栓ごと安価な新品に交換した方が良いと考える場合もあるかと思います。しかし、あくまで平均耐久年数が１０年から１５年というだけで、安い製品は耐久性もそれ相応となりますから、ご予算と、現在ご使用になられている水栓の残りの耐久年数を考慮して、蛇腹ホースだけの交換をするのか、水栓ごと交換するのかを選択すると良いでしょう。
それでは、以上の最低限のチェックをした上で、交換作業をしていきます。
蛇腹ホースの交換方法
ジャバラホースの品番を特定して購入する
まずは、今ついているシャワー引き出し式水栓のメーカーと品番を確認して、蛇腹ホースの部品が入手可能かどうかを調べないといけません。
品番は水栓本体の目に付く所にシールで貼ってありますが、経年劣化などで、薄くなっていて、読みにくくなっている場合もあるでしょう。そんな場合は、最初に取り付けた施行業者に確認してみるか、メーカーがホームページに商品を紹介している場合が多いので、各社のサイトで確認してみましょう。主なメーカーは以下のとおりです。
TOTO、LIXIL（INAX）、SANEI、KVK、MYM（現在は事業承継したKVKが取り扱っています）、Panasonic
メーカーと品番が確認出来たら、各社ホームページで、品番で部品が検索出来るようになっている場合が多いので、検索してみましょう。シャワー引き出し式水栓用の蛇腹ホースは店頭で売られているケースは少ないので、ホームセンターなどでも、結局、取り寄せになる場合が多くなります。そのため、メーカーのホームぺージで直接、注文出来る場合は、最初から通販で購入する方が早く入手できます。
また、ホームページ内で施工説明書の閲覧ができるようになっている場合もあるので、作業前に目を通しておくとよいでしょう。
作業に必要な物を用意する
止水栓を止める場合にマイナスドライバーが必要になる場合があります。また、古いホースからこぼれだす、水を受け止める洗面器かバケツや、ねんのため、タオルも用意しておきます。
止水栓か水道の元栓を閉める
まずは止水栓を止めましょう。止水栓がどこにあるかわからない場合は、家の元栓を止めることでも対応可能です。
水受けタンクの水を捨てる
シャワー引き出し式水栓を使用している場合は、洗面台下に水受けタンクが備え付けられています。水受けタンクとは、蛇口から蛇腹ホースを伝わっくる水が洗面台下の床を濡らさないように、取り付けられている容器のことを言います。もし、水受けタンクがないと、洗面台下の床が水浸しになって、カビの原因になったり、床部分の木材の腐食の原因になってしまうため、設置されています。
通常は水入れタンク内は乾いた状態ですが、水漏れがしている状態の場合は水が溜まっていると思われます。蛇腹ホースの交換前に先にタンクの水を捨てておきます。タンクは手で簡単に外れます。この時、水が洗面台下にこぼれても問題ないように、洗面器やバケツを置いて、さらに床下にタオルなどを敷いておきます。水を捨てたら、水受けタンクは元に戻します。作業の邪魔になる場合は、蛇腹ホース交換後でも構いません。
古い蛇腹ホースを取り外す
１．古いホースと蛇口を切り離す
洗面台下にある、ホースと蛇口を繋ぐプラスチック部分を外します。この、プラスチック部分のことを接続カプラーとか、ワンタッチジョイントと言います。白と黄色やオレンジの二色に分かれている場合が多いです。ホースにつける方が白色で、蛇口の根元につける方が黄色やオレンジ色です。もし、ご使用になっている製品の色が違っても、形状で判断できると思います。多くはジョイント部分を下にスライドさせ、そのまま下に引っ張ると簡単に抜けるような構造になっています。
古いホースは水が溜まっている状態なので、用意したバケツに水を出しておきます。次に接続カプラーの白い部分を持って左に回して、接続カプラーと蛇腹ホースを切り離します。この時も、水が吹き出す場合があるので、バケツの上で作業をしてください。
２．シャワーヘッドと古いホースを切り離す
次に水栓側です。シャワーヘッドの方を左まわりに回して軽く緩め、蛇腹ホースを水栓から引き出していきます。一旦、抵抗を感じて、途中で止まるように思えますが、そのまま、ゆっくりと抜いてしまいます。
引きだしたら、シャワーヘッドの部分と蛇腹ホースの接続部分を左に回転させ、シャワーヘッドの部分と蛇腹ホースを完全に分離させます。
上記はメーカーや品番によって作業方法が異なる可能性がありますので、説明書を参考にして作業を進めてください。
新しい蛇腹ホースを取り付ける
１．新しいホースとシャワーヘッドをつなぐ
今度は逆の手順で、新しい蛇腹ホースとシャワーヘッドを右回りに回転させて接続します。次にヘッドがついていない、反対のホース部分を水栓の根元にはめ込みます。後は引き出した時の逆の要領で、ゆっくりとホースを中に押し込んでいきます。
２．新しいホースと蛇口をつなぐ
無事にホースが押し込まれたら、再度、洗面台下で作業します。今度はホースの先端に接続カプラーを取り付けます（今度は右まわしになります。ホース部分につなぐ方が白です）。最後に接続カプラを蛇口に向けて、カチっと音がするまで押し込んで、接続します（要するに以前の状態に戻す）。
これで、蛇腹ホースの交換自体は終了です。
なお、新品の蛇腹ホースを接続カプラーに繋ぐ際には、ホース側を固定して、接続カプラーの方を回すようにしてホースが捻れないようにしてください。中のゴムホースがねじれて潰れてしまわないようにするためです。
水漏れの確認をする
止水栓や元栓を開けて、水を流して、水漏れがないか確認します。問題なければ、作業は完了です。
まとめ
シャワー引出し式洗面所水栓の蛇腹ホースは表面が金属で出来ているので、錆などがない場合、ひび割れはないように見えますが、内部はゴムホースが通っている為、経年劣化によりゴムの方にヒビ割れが起こっている場合があります。
また、シャワー引出し式洗面所水栓自体は、市場流通量がそれほど多くないため、部品の入手が可能かどうかをまず、調べないといけません。既に廃盤になっている場合は水栓ごと交換するしかありませんし、平均耐久年数に近い、もしくは超えている場合も、せっかく、蛇腹ホースだけを交換しても、いずれ水栓ごとの交換が必要になってくるため、この機会に水栓ごとの交換も考慮すると良いでしょう。
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